2010年1月19日火曜日

フォロー小ネタ集

パン屋のこと。

いつものパン屋のおじさん、しばらく見なかったんですがまた復活していました。休暇旅行に行っていたのかしら……。

このパン屋さん、おじさんもいつもの店員さんもいつのまにか、私の顔を見ると黙って指を2本立てるくらいに私の存在に慣れきっていました(2千ペソ分のパンを買うか、という意味です)。パンを12個買うと自分も小銭を出すのが面倒ということに気づき、早々にあきらめたのです。

無精すんなよー、と思ったんですが、年末年始にいつもと違う店員さんに当たって初めて、自分も無精していたことに気がつきました。いつもの人なら「5個と5個」と言えば通じるのに、慣れない人だと「インテグラルを5個と、ブランディート(バターロール)を5個ください」と言わないとわからないわけですよね、当然。顔なじみの店ってありがたい。

タンクのこと。

ビジャ・デ・レイバの宿の記事で「タンクは屋根の上にあるべき」と書きましたが、その後別の町に行ったりして、ひょっとすると水タンクを屋根の上に上げないのは景観保護のためかもしれないと思い当たりました。本当にそうなのかどうかはわかりません。

コーヒーのこと。

メデジンに住む夫の兄の家では、コーヒーは漉さずに上澄みを飲むらしい。トルコ式ですね。上澄みができるのを待っている間に冷めると思うので、小鍋であたためるといいようです。

コメントいただいた X^2 さんのお話しによると味がイマイチのようですが、夫はすごくおいしかったと言っていました。粉の違いでしょうか。

布フィルターには衛生上の問題があると私も思ってはいました。水洗いしてパティオに干してあるんですが、昨日パティオで鳩が羽ばたく音が……。

日本のサイトを見ると、「ネルのフィルターは煮沸して……」などと書かれています。コロンビアの家で毎回煮沸しているところはまずないと思いますが、伝統的なフィルターは枠が針金で布部分を外して洗濯できるようになっているのに、うちのはプラスチックで外せないのです。

今後どうするかは、夫が小鍋を買うと言っていたのでそれが買われてから考えます。

2010年1月17日日曜日

それ、2匹とも犬?

朝、2匹の犬を散歩させていたら若い男性が歩いてきて、

"¿Ambos son perros?"

と尋ねました。日本語にそのまま訳すなら「それ、どっちも犬?」

見りゃわかるだろ。という感じですが、私もだてに6年間犬を飼っていません。彼は両方が牡かどうかを知りたかったのです。知ってどうするのかという疑問は残りますが。

犬は普通に言うなら perro ですが、牝は perra と言います。perra には英語で言う bitch のような下品な意味もあるせいか、特に女性は perrita ということも多いようです。

話は変わりますが、ラナとはカエルのこと。ずっと昔、日本で「宇宙船サジタリウス」というアニメを放送してて、カエル型のキャラクターの名前がラナでした。原作小説がイタリアなので、やっぱりイタリア語でもカエルはラナなんじゃないかと思います。男性キャラなのになぜ女性のような名前なのかという疑問が解けました。

最近の国内のヒットドラマに El cartel de los sapos というのがあるんですが、この本の表紙にカエルが描かれていました。

夫に「ラナとサポってどう違うの?」と聞いてみたところ、「ラナがメスでサポがオスだよ」という答え。

……そうですか。

「ラナはラノって言わないしね。サポもサパと……いや、これは言うかな」最初は自信満々だったのにだんだん声が小さくなっていく夫。

西和辞典を見たらラナがカエルでサポはヒキガエルと書かれていましたが。最初から辞書引けって感じですが、ただ、スペイン語の辞書は国ごとの細かいニュアンスが反映されていないことが多いので、ごくおおまかな部分でしか参考にならないのです。スペイン語によるスペイン語辞書にしても、国ごとに編纂されていることはまれで、その国固有の表現などはなかなか見つかりません。

El cartel de los sapos はマフィアに関するドラマらしく、レギュラーも男性主体のようなので、この sapo はヒキガエルというよりはやはり男性性を意識して使われた言葉なのかも。

コロンビアではカピバラをチグイロと呼びます。お菓子に付いてくる図鑑シールみたいなのを見ていたら、チグイロとカピバラが併記されていました。夫にこの2つの違いを聞いたら「メスがカピバラだよ」と言いそうな気がしますが、実際のところはどうなんでしょう。

2010年1月16日土曜日

災害救助犬

今6歳のラブラドールを飼い始めた頃、私は夫の友人が主宰する災害救助犬のグループのはしっこに入れてもらっていました。最初の頃は犬がいなかったのでただ隠れるだけの役です。人を探す訓練をするお手伝いでした。

うちのラブラドールはそのときグループにいた牡犬の息子です。犬を飼い始めてから、犬も訓練に参加するようになりました。

しかしうちの犬はどうやら救助犬の才能はあまりなかった模様です。食べ物を探すのはうまいのですが、人を探すのはうまくない。そのうちもう1匹の犬を飼うようになって、救助犬グループはやめてしまいました。もう1匹の犬はとても頭がいいのですが(と飼い主は思っている)、元野良のためか人に対する警戒心が強く、知らない人に交じって活動することには向いていないのです。

ラブラドールだけ訓練を続けることはできたのですが、週1回の訓練で日曜が半分以上つぶれてしまうし、そうするともう1匹の犬と触れ合う時間が減るのはイヤだ、というのが夫の言い分でした。また、当時は車を持っていなかったので訓練場所まで犬を運ぶのもけっこう大変でした。タクシーやバスを使っていたのです。

その後、メンバー間で意見の相違などがあり、グループがいくつかに分裂したりしたようです。

昨日、夫が帰ってきて「今日、フランシスコを見たよ。ほら、犬の」と言いました。救助犬グループのメンバーだった人です。

どこかでばったり会ったのかと思ったら「テレビで」。

彼はハイチに行くところだったのでした。

それを聞いて、もしもラブラドールの訓練を続けていたら、うちの犬もハイチに行くことがなかったとは言えないということに思い至りました。

サンタンデールに旅行に行ったら口の中が腫れたとか言っている場合ではありません。

また、そうなったらハンドラーは誰がするのか。訓練のときは私と夫が交互におこなっていましたが、自分で言うのもなんですが、私の体力には不安があります。何日も被災地で寝泊まりなんかすることになったら体調を崩してかえって足手まといかも。

ボランティア活動にちょっと参加させてもらおうと思うのと、実際に現場で働くことの間には大きな違いがあることを思い知りました。

くだんのフランシスコは99年のコロンビア国内の地震でも救助活動に参加したと言っていたような気がするし、いろいろな訓練も受けている専門家です。現地で力になれることも多いでしょう。そして、彼も犬も無事に元気で帰ってきてほしいです。

2010年1月15日金曜日

コーヒーメーカー壊れる

以前使っていたコーヒーメーカーは、夫の姉がアメリカ旅行のおみやげにくれたものでした。

コーヒー産国の人が外国に旅行してこんなかさばる電化製品をおみやげにくれるというのがよくわかりません。夫もアメリカから一度、鍋を買ってきたことがあります。それは米を炊くのに重宝しているんですが、これがコロンビアのおみやげ観なのか?

しかも義姉のくれたコーヒーメーカーは8人用とかで妙に大きい。うちが2人暮らしなのは知られているはずなのに。

そのコーヒーメーカーはありがたく使わせていただいていたんですが、私はなにかと粗忽なので、ある日ポットが割れました。ガラスですから。

メーカーはメジャーでしたが(Black & Decker だったかな)、大きさが半端だし、部品取り寄せとかすると高くつきそう。そもそもそれは大きすぎると常々思っていたので、新しいコーヒーメーカーを買いました。

今回はポットは金属製。割れません。しかも30分以上経つと自動的にスイッチが切れるというすぐれもの。素晴らしい。

しかしその素晴らしいシステムがあだになったのか、スイッチがバカになってしまいました。スイッチは固定ではなくて、たとえばパソコンのように一度押したらオン、もう一度押したらオフという方式だったのですが、何度押してもなかなかオンになりません。いったんオンになったら今度はオフにならない。

いつ買ったかよく覚えていませんが、3年くらい前でしょうか。こんなところが壊れると思わなかったのでショックです。

コーヒーメーカーは、ぱっと思い立って買うには少々高いものなので、つなぎに手動で乗り切ることにしました。とりあえず、紙のフィルターがたくさん余っているので日本でよく見るプラスチックのドリッパーみたいなのを買えばいいのではないか?

と考えましたが、店に行ってもそのようなものがありません。困った……。仕方がないので200円くらいの布フィルターを買ってきました。

コロンビアではコーヒーメーカーを使う人はそれほど多くなく、実はこの布フィルターが主流です。しかしこれの使い方がわからない。夫に聞いてみました。

「これはほら、お湯を沸かして、こうやってスプーンでぐるぐるとかすればいいんじゃない?」

要領を得ません。要するに、知らないらしい。

紙フィルターと同じように使うには何か支えのようなものがいるはず。布フィルターは茶こしの漉す部分が布になっているので、自立性がないのです。しかし店頭にはそのようなものは見当たらないし、10年ほど前に義母の遺品として台所用品をそのまま譲り受けたとき、新しい布フィルターはあったんですが(それは人にあげました)フィルターを立てておくようなものはありませんでした。

ネットでいろいろ探っていると(日本語で)、「昔、コーヒーはお湯に粉を入れて煮立て、それを漉すものだった」という記述が。これか!

というわけで、鍋でお湯を沸かし、コーヒーの粉を入れてちょっと煮立て、それを布フィルターで漉してみました。私は味音痴なので以前のコーヒーとそれほど違うようにも思えず(ちょっと酸味が強くなったかも)、夫にも好評だったのでもうこれでいいかも。停電時にもコーヒーを入れられるのはポイント高い。

ただ、普通の家でもこうやってコーヒーが入れられているのかどうかはわかりません。

お湯を沸かしたりホットチョコレート(チョコラテ)を作るのに使われる jarra(ハラ)というものは細長いので、フィルターにあらかじめ粉を入れておき、ドリップすることは不可能ではありません。

ただ、漉す前にコーヒーの粉を湿らせて蒸らしたりする方法をその後ネットで見かけたので試してみましたが、ボゴタは高地でお湯の温度が低いため、そのあいだにけっこう冷めてしまいます。ドリップしてもおそらくかなり冷めるかと。

と考えると、普通に煮立てて漉すだけでいいかなと思っています。

2010年1月14日木曜日

犬の病気

クリスマス前の旅行から帰ってきた翌日か翌々日、夫が犬の口の中が腫れているのを見つけました。

うちにはやや大きめの中型犬程度の犬が2匹おり、1匹はラブラドール、もう1匹はボーダーコリーに似ていないこともない雑種で、口に異常があったのはラブラドールです。

このラブは6歳の牡。血統書がついているわけでもない、まあ両親もラブラドールのようだしまあラブラドールかな、という適当な犬ですが、それでもやっぱり雑種よりは弱いのか、よく病院のお世話になります。主に拾い食いでお腹を壊したせいですが。つないでいても一瞬のうちに何かを拾って食べてしまうんです。

でも今回は拾い食いのせいではなさそう。歯ぐきの横にかたまりのようなものができています。歯の手入れとかをふだんしていないところに持ってきて、旅行疲れで故障が出たんじゃないでしょうか。

うちの犬はあまり大きくありませんが、ラブラドールといえば大型犬。7歳からは高齢になるらしいですから、うちのももう若くありません。

私は冷たくも「放っておけば治るんじゃないかなー」と言いましたが、夫は獣医に連れて行きたいらしい。でもいつも行く国立大学の診療所の電話がつながりません。結局、獣医になる勉強をしている夫の甥を呼びました。

彼は22か23くらいで、まだ大学は卒業していませんが、既に民間の動物病院で仕事をしているようです。初めて会ったときは小学生だった彼がかっこいいお医者さんになっててびっくりです。

「取り除くなら手術をした方がいいかも」という彼。国立大学は国立だし、診療所は学生の学習用でもあるので安いんですが、この甥っ子の勤めている病院は民間なのでたぶん安くない。ペット用の保険は最近コロンビアでもときどき見かけるようになりましたが、うちではかけていません。ちなみに彼自身は国立大学の出身ではありません(というかまだ学生ですが)。

国立大学の電話は依然としてつながらないので、夫は甥の勤めている病院に行くことに決めました。すぐアポイントを取って、翌々日くらいに病院へ。

私はもう1匹の犬と一緒に留守番していました。なかなか帰ってこないので途中で電話してみたら、けっこう丁寧な検査とかがあり、その後麻酔をかけているので時間がかかっているとのこと。

でもなんとか、その日の夕方には帰ってきました。入院する必要がなくて助かりました。犬のためにも、お金のためにも。結局、費用は27万ペソくらいかかったようです。国立だったら半分くらいかも。でも夫自身はサービスには満足していたのでいいでしょう。

とはいえ、「獣医っていい商売だな」などと言ってました。しかし獣医も経済的に高レベルになると顧客にマフィア系の人が増え、トラブルがあったり、身の危険を感じたりすることもあるようで、おいしい話ばかりではありません。

2010年1月9日土曜日

ビジャ・デ・レイバの宿(写真)

比較のために、2年前に泊まったビジャ・デ・レイバの宿を載せてみます。時期はやはりクリスマス前でした。やはり休暇シーズンに出かけることが多いです。


午後出発したので到着は夜でした。
ビジャ・デ・レイバはボゴタからだとぎりぎり日帰り圏内くらいにあります。テレビドラマの撮影などが行われることもあるコロニアルの町。
町を入ってすぐのところの宿で聞いたら二人一泊5万ペソ(2400円くらい)とのことだったのでまあいいやと即決。
このときは犬連れではありません。


ここはまさに、古い民家を改造した宿でした。入ったらパティオ風の空間が居間のようになっており、2階まで吹き抜け。


部屋は小さく、簡素ながら清潔な感じ。
お湯も出ました。ここは寒い土地なのでお湯が出ないと寂しい。


ただ、バスルームの上に水タンクがあるのが見えているのが少々気になりました。
水が少ない土地だからか、ボゴタでもいったん家の上のタンクに水を上げて使うのは普通のことなんですが、普通は屋根の上にあるものです。


しかしテレビはよく映りました。たぶん衛星じゃないかと思います。
個室に入院したときでさえ、こんなによく映るテレビは見たことがありません。
AXNとか映ってます。


町の広場には控えめなイルミネーションがされていました。
行ったのは2007年のクリスマス前なのに、右の数字が09なのが気になりましたが。


夜なので食事をするところも少なく、この「ピザ屋」と書いたところで食事。
ボゴタのショッピングセンターにあるようなところと変わらないメニューです。値段も高め。


町の中のやはり民家風の建物の奥にはバー。入っていませんが。
広場近くのこのあたりでホテルの値段を聞くと、9万とか9万5千ペソとかの答えが返ってきました。中がその分きれいなのかどうかは、見ていないのでわかりません。
そういえば当然ですが、この辺のホテルにはプールはないと思われます。寒いので。


犬を置いたままなので、翌日は早朝に出発しました。
夫も初めてのビジャ・デ・レイバだったらしいですが、何しに来たんだかわかりません。
ホテルの向かいの民家。
看板から察するに金物屋です。

2010年1月8日金曜日

ホテルと帰り道(写真)


泊まったホテル。
安めのホテルは古い家屋を改造したようなところが多いんですが、ここは新築のようです。
お湯が出るのは2階だけ。しかしなぜか洗面台の水はほとんど出ない。
シャワーを使うには支障ありません。テレビはほとんど映りませんが、公共のテレビでちゃんと映るところ自体が珍しいです(もちろん高級ホテルは別だと思います)。
映っているのは夫とうちの犬たち。


こちらが母家。食堂といくつかの客室、居間があり、ここのテレビでは衛星放送が映ります。
客室はちらっと見たら(私たちのほかにはほとんど泊まり客はいませんでした。24日から混むという話でした)やや豪華というか、新婚さんの部屋みたいでした。とりあえず、犬はダメそう。
管理人さん一家の小さな家が別にあり、食事などはそこで料理するようです。


上の写真のテラスのような部分。
ここでぼーっと本とか読んで過ごすのもよさそう。プールもあります。
食堂や居間の家具もきちんとしたもので、エコノミーな宿にしては力が入っています。


母家の入口。


ホテルの前にはこんな風景が広がっています。


これは帰り道。スアレス川という川で、チカモチャの峡谷に流れています。
見直すと帰りの写真はほとんどありませんでした。売店の写真とか撮っておけばよかったですね。
旅行の記事はこれでおしまいです。

2010年1月7日木曜日

チカモチャ・キャニオン(写真)


道端に現れる大峡谷。
ここは売店の横で、この手前には洗濯物が干してありました。
売店の写真はありませんが、カウンターというよりはただの板を渡したような場所にいくつか食べ物が置いてあるといった感じの小屋。住居でもあるのだと思いますが。


これがくだんのケーブルカー。


公園入口。駐車場の端にも売店のようなものがあり(観光地らしく整備されたもの)、公園に入らなくても休憩しながら峡谷を眺めることはできます。トイレも使えます。ただし車を止めた場合、駐車場は有料。


公園内のオアシス、ヤギ公園。
ここは子ヤギの場所。売店でニンジンやミルクを買って与えることができます。


大人のヤギはこちら。
犬と見つめ合ってみる。


ヤギ公園の売店ではヤギチーズなども売っています。
これはクアハダと呼ばれる、味のないチーズを使ったおやつ。
上にかかっているのはアレキペ(牛乳と砂糖を煮つめたもの)ですが、これはヤギ乳のものではないらしい。3500ペソとお高め。


これ以降は夫がケーブルカーの中から撮ったものです。


谷底には普通の家があります。


たぶん川の上を通っているときに撮ったもの。

2010年1月6日水曜日

バリチャラの町(写真)


町の広場の教会。右の建物の右端は携帯ショップですが、よく見ないとわかりません。


銀行もこんな感じ。


国内でよく利用される宅配業者のオフィスも。


オフィスの2階はクリスマスならではのペセブレ(キリスト生誕の光景)。
この位置ではよくわかりませんが、キリスト本人の人形は25日まで置いてはいけないらしい。


台無しフラミンゴ。


ずっとこんな町並みが続きます。


町全体が坂になっていて、広場はその中腹にあるようです。


広場よりも下を見るとこんな感じ。


上の写真にもうっすら映っていますが、小雨のために帰りには虹が出ていました。
右側はまたもや携帯ショップ。
飾りの木はクリスマスのためなのでしょうか。フラミンゴを作ったら力尽きたといったおもむき。

2010年1月5日火曜日

ボゴタに戻る

最終日も少しゆっくり目に宿を出ました。ホテルの最寄りの町であるサン・ヒル(San Gil)は車で通りすぎただけですが、町の中はやはりコロニアル風の建物をたくさん残していて、ボゴタに比べると異国情緒のようなものを感じます。

また、コロンビア内陸部には多いですが、町全体が山の中にあるため、坂の途中の町といったおもむきです。

このあたりではタバコが主産業であるらしく、サン・ヒルからバリチャラに抜ける途中に大きなタバコ工場がありました。タバコを吸わないのでよく知らないのですが、外国メーカーらしいタバコのロゴが描かれていたところを見ると、店先でよく見かけるこういったタバコの多くがここで生産されているようです。

工場のそばを抜けるときにはタバコの(煙ではなく)匂いがしました。周辺農家ではタバコの栽培も行われているようです。自分は吸わないし、コロンビアに来ると周囲にも数人がほとんどいません。世界的にタバコを減らそうという動きが大きいですが、そうなるとここでは仕事を失う人も多いだろうと思うと複雑な気持ちになります。

宿の夕食は普通の主菜と付け合わせのポテトやサラダという感じの食事ばかりだったので(エスペシアルまたはアラカルタと呼ばれるもの)最後の昼食くらいはサンタンデールならではという感じの食事にしたかったのですが、思ったよりも早くサンタンデールを抜けてしまったのでそれは叶いませんでした。

途中、街道筋でチーズを売っている店や果物を売っている店に止まって、買い物がてら小休憩。オレンジを買った店ではハチミツも売っていて、きれいだし新鮮そうなのでつい買いましたが、帰ってから一晩たったらもう固くなりはじめていてショックでした。そういえばボゴタは特に夜、気温が低いのでハチミツがすぐ固まってしまい、ふだんは口の広いビンのものを買うように気を付けていたのでした。たまにしか買わないのですっかり忘れていたこともあったんですが、そもそも買った場所では口の広いビンでは売っていませんでした。

だんだん気温も低くなり、昼食はほとんどボヤカの首都近くの町で。街道筋の小ぎれいなレストランではやはりエスペシアルしかないようだったので、町の中に入りました。アルモハバナ(チーズパンのようなもの?)の産地だったようです。

町の食堂は本当に近所の人の来るような場所で、普通のメニューでよかったです。エスペシアルの困ったところは主菜の肉または魚がむやみに多い上に野菜が少なく、それでいて高いところなのです。

鶏肉がおいしかったので肉屋があったら買って帰ろうと思いましたが、見つかりませんでした。

ボゴタには午後5時前くらい、まだ明るい時間に着きました。夫がカレフールで給油したいと言い、そういえばこの日は24日、翌日は店がすべて休みなので食料を買っておかなくては、と、ついでにカレフールで買い物。

ボゴタですべての店が休みになる日は多くなく、クリスマスと1月1日、セマナ・サンタ(復活祭)くらい。特にクリスマス前のスーパーは混むので24日にスーパーに行くのはよそうといつも思うんですが、段取りが悪くて毎年のように24日にはスーパーに行く羽目に。もっともこの日は、時間もそれほど遅くなかったせいかそんなに混んでいませんでした。

暑いところから戻ってくるとちょっと寂しい寒いボゴタですが、犬たちはこの辺の生まれなのでこれが正常。ほっとしたようです。

2010年1月4日月曜日

チカモチャ峡谷

新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて旅行の続きです。

2日目の朝はわりとゆったり、遅めの時間にブカラマンガ目指して出発しました。目的地のチカモチャ(Chicamocha)はサン・ヒルとブカラマンガの間にあります。

わりといつもと同じ感じの山道、といっても主要街道なのでかなり整備されていますが、そこを走っていると突然、谷側の景色が変わりました。

片側は山、反対側は谷という道で、そこまでは谷といっても鬱蒼とした森のような風景だったのに、いきなり視界が開け、ほぼ海抜に近い場所まで一気に見えるようになります。

ボゴタとメデジンの間の街道はいったん海抜付近まで降りるため、その両側の山道でもそれに似た景色を見ることができるのですが、ここでは、谷の両側が険しく切り立っているのが違っていました。ボゴタとメデジンの間は非常に広い谷なので、ほぼ山の片側しか見えないのです。

チカモチャ峡谷の説明によると「世界で2番目に大きい」ということですが、Wikipedia(英語)など見ても、実際の峡谷(キャニオン)の大きさの定義というのは決まっておらず、何を最大とし、何を2番目とするかは曖昧のようです。深さと面積を掛け合わせた感じで大きさを出しているのでしょうか。

チカモチャのインパクトの大きさは、普通の街道を車で走っていたらそれがなにげなく、眼下に現れることではないかと思います。標高1500m付近から海抜付近を流れる川を直下に見下ろせるというのは圧巻です。

それでいて街道筋にある売店はどこにでもある、ただの小屋。ポテトチップスやバリチャラ産のクッキー、コーラなんかを売っているおばちゃんは一応景色を売り物にしてはいるものの、おそらくこれが特別な風景だとは少しも考えずに毎日暮らしているのでしょう。

ここ何年かのあいだに地方の治安が比較的安定し、国内旅行が奨励されたことなんかの余波で、チカモチャ国立公園というアトラクション施設のようなものが建設され、その目玉は川まで降りて反対側の崖に登り、また帰ってくるケーブルカー。夫はこれに乗りたがっていました。

結果から言うと、この国立公園はちょっとはずれ。少なくとも犬連れで行くところではありません。

犬は入れますが、ケーブルカーには乗れません。それは覚悟の上だったので、夫だけがケーブルカーに乗ることになりました。

まず入場料がひとり1万ペソ。ケーブルカーは別料金で、2万ペソです。

ケーブルカーに乗らなくても、ヤギ牧場やなぜかダチョウ牧場(見ていませんが)、売店などの並ぶ場所、フィールドアスレチックのようなものなどがあり、そこそこ遊べます。

しかしなにしろ暑い場所なので犬はすでにぐったり。ケーブルカーに乗る夫を待つ間、わたしと犬たちは比較的静かで日陰もあるヤギ牧場の一角で待つことにしました。

しかし待てども待てども夫が帰ってきません。犬を連れて歩くには私も疲れていたので、私たちは2時間以上もそこで待ち続けました。おかげで犬はけっこう回復したのですが。

あとで夫に聞いた話によると、とにかくケーブルカーの車両台数が少なくてお話にならないとのこと。景色は良かったらしいですが。クリスマス前とはいえ平日でこの有様なら、週末などはどうなることか。ケーブルカー待ちの列で熱中症の人が続出しないのが不思議です。救護所は完備してるみたいですけど。

あとで宿の人に聞くと、このケーブルカーは乗ってる時間より待ち時間の方が長いということで、既に地元では有名のようです。もっともこの値段では頻繁に乗ろうという人もいないでしょうが。

その日の宿は、前日の宿が街道から少しはずれていたので別の場所を探そうかと考えていたのですが、夫が戻ってからすぐ公園を出て昼食を摂る場所を探しがてらサン・ヒル方向に移動していたらすぐ暗くなってしまいました。

遅くなってもイヤだし、結局昼食は摂れなかったので(公園で甘い物などを少し食べましたが)、前日の宿に連絡して夕食も頼み、そこに泊まることにしました。

公園でゆったりしている時間は悪くなかったんですが、もっとベンチとかあって、あと本でも持っていればよかった。車には積んでいたんですが。

そんなこんなであんまり印象の良くないチカモチャ国立公園(峡谷自体はいいです。でもそれを眺めるだけなら公園は不要)をあとにし、翌日はボゴタに帰ります。