2009年10月31日土曜日

肉は 500g 単位で買わなければならない

ポンドという単位をスペイン語でリブラというと知って、ポンドの記号が lb であることが納得できました。元はラテン語のようです。

コロンビアで普通使われている長さや重さの単位はメートル法ですが、たまに違うものが混じってきます。そのひとつがこのリブラ。1ポンドは正確には約 454g ですが、コロンビアでは基本がメートル法だからか、500g を1リブラと考えます。

八百屋や肉屋などで計り売りのものを買うときに、この単位が使われます。スーパーでも野菜や果物は計り売りのことが多いので基本単位ごとの値段が表示されていますが、1kg の値段が書かれていることもあって要注意。

しかし最低 500g 買わないといけないかというとそんなことはありません。「半リブラ」という買い物もできます。うちは2人暮らしなので1回分の肉などは半リブラで買います。ものによっては4分の1リブラで買えるものもあります。しかし肉類はそんなに細かい買い方はしないかも。

半リブラといえば 250g。しかし日本で 100g 単位の買い物をしていたことを考えると、本当は 200g でいいんです。でもそんなちびちびした単位を受け付けてもらえるとは思えず、いつも半リブラと言って、切った肉なんかは「ちょっと多いけどいい?」とか言われて 300g くらい買わされるという……。多ければ次の日の昼とかに食べるからいいんですけど、むしろ減らしてと言いたいと思いつつ言えない小心者です。

2009年10月30日金曜日

カボチャはスイカの匂いがする

言いたいことはそれだけです。

ハロウィーンの季節だからカボチャというわけではありません。コロンビアのハロウィーンは子供の仮装イベント程度の位置付けで、カボチャをくりぬいたりもしませんし。

コロンビアで、というかうちの近所で見かけるカボチャには2通りあります。ひとつはカラバサと呼ばれるもの。ハロウィーンでランプを作るのはたぶんこのタイプでしょう。もうひとつはアウヤマというもので、日本のカボチャに近いです。

でも「日本のカボチャに近い」と言ったらきっと、コロンビア在住邦人のみなさんに怒られるだろうな。似てると思うんだけど。皮が緑で中は黄色ですしね。ただ、日本のものよりもう少し繊維質な感じです。私はほくほくした食感の食べ物が苦手なので、日本のカボチャよりこれの方が食べやすいです。

カラバサはもっと繊維質で、ヘチマみたいな感じではないかと思います。食堂とかでたまに出てきますが、料理の仕方を知らないので実物をちゃんと見たことがありません。あっさりした煮物のような調理をされることが多いです。

アウヤマの方は、たいていつぶしてマッシュポテトみたいな料理になっています。味付けはやや濃いですが。パウンドケーキのような形になっていることも多いかも。

しかし私は日本の煮付けのように、大きく切って砂糖と醤油で煮てしまいます。

話が前後しますが、アウヤマはけっこう大きいので丸ごと買うことはまずありません。近所の八百屋だとレジの近くに切りかけのものが置いてあり、「1リブラください」とか言うとその場でナタみたいなもので切ってくれます。リブラとは 500g のこと。本当はリブラはポンドのことで、1ポンドは正確に 500g ではないんですが、コロンビアのリブラは 500g なんです。その話はまたいずれ。

頻繁にアウヤマを料理するわけではありませんが、ときどき買ってきて切るとスイカの匂いがするのです。そのたびに、本当に瓜なんだなぁと思います。

2009年10月29日木曜日

果物の選び方

マラクジャという柑橘系の果物があるのですが、店頭でこれを振るような仕種をしている人をときどき見ます。何をやっているのかと思っていたのですが、聞いたら重さを見ているらしい。マラクジャは柑橘系ではありますが(たぶん。味からの想像です)、オレンジやみかんのように皮が柔らかくありません。内部の熟れ具合を見るには重さから判断するというわけです。見た目のわりに軽い果物はおいしくないということになります。

グラナディージャという果物にもその判断が適用されます。これは厚い皮の中に半透明の果肉が種と共に詰まっている、日本では見かけないタイプの果物です。ある日、近所の八百屋さんでこれをいくつかレジに持っていったら、レジの女の子に「これは軽すぎるからダメ。もっと重いのと取り換えなさい」と言われました。とても親切。ですが商売として大丈夫なのか。

ふだん朝食にパパイヤを食べるのですが、パパイヤの選び方はけっこう難しい。基本は「皮を押してみてあまり固いのは熟れていないのでよくない」ということですが、大型スーパーなんかに売っているてかてかしたパパイヤはだいたい固いです。しかしそれがまずいかというとそんなことはありません。といって必ずおいしいとも限りません。

近所で買うパパイヤはてかっていません。熟れすぎて傷んでくると傷んだ部分を切り取り、切り身にしてラップをかけて売られています。それだと中身が見えるのではずれは少ないですが、私が買うのはたいてい丸ごとです。

熟れすぎず、固すぎないのがいいんですが、たまに持ってみて軽い感じのするのがあります。それが悪いかというとそうでもなく、種のない種類だったり。種がない分軽くなるようです。

こんな感じで手探りなので、ちょうどいいパパイヤが買えるとうれしい。熟れすぎる一歩手前くらいのパパイヤは本当においしいですね。

コロンビアは赤道直下なので野菜や果物には季節がないのかと思っていましたが、そうでもないよう。雨の調子なんかも関係するんだと思いますが、同じ果物でも高いときと安いときがあります。今はパパイヤは安いみたいでありがたいです。

2009年10月28日水曜日

Los simuladores と外国人登録

この番組はたいてい、本編の始めに 10 分ほどの短い話があるんですが、今回はそちらの方がおもしろかったです。

外国人登録所のようなところの窓口の一つに、何かと難癖つけては書類を受理してくれない年輩の女性がいる。

やっぱりこういうことってどこにでもあるんですね。私自身はコロンビアの役所でいやな目にあったことはありませんが(ものすごく待たされたりすることはありますけども)、日本のコロンビア大使館の受付の女性はいけ好かない感じでした。今もその人が受付なのかどうかわかりませんが。法律的な書類の申請に行く人だけでなく、ちょっと電話で問い合わせただけの人もいやな印象を受けるらしく、ある意味とても公平な人かもしれません。

それはさておき、ドラマの中のこの女性のところにある日、ハンガリー政府から派遣されたような男性2人がやって来ます。彼らの言うには、彼女は数十年前にハンガリーからメキシコに養子に出された子供のひとりらしいのです。

最初はもちろん半信半疑の彼女ですが、ハンガリー大使館(偽)でパスポートも支給され、ついに仕事を辞めてハンガリーに行ってしまいます。移住したのかどうか、細かいところはわかりませんでしたが、いやな係官を辞めさせるためだけにえらい大がかり。ハンガリー側には彼女の祖父母(自称。というか言葉は通じませんが)も住んでいます。最近国外追放になる人多いな。

ハンガリーという選択がまた憎い。ハンガリーの人はアジア系に近いらしいので、ラテンアメリカの混血系の人だと、ハンガリー人だと言われればそうかなー、と思ってしまう人もいるのかも。もっとも、ハンガリーのことをそれほど知る人もいなさそうですが。

最初の方で、日本人の Taka さんやよく出てくるアメリカ人らしい黒人青年が「あの6番窓口のおばちゃんにまたやられたよ」みたいにぼやいているので、これはひょっとして彼らの実体験から来ているのでしょうか。

2009年10月27日火曜日

ラテンアメリカンアイドルとsazon

ラテンアメリカンアイドルは先週、10人の出場者が8人に減らされるところでした。なぜ2人減るかというと、本選出場者(ファイナリスト。スペイン語ではフィナリスタ)は基本10人なんですが、予選の最後にいつも「今日はびっくりなお知らせがあります」と言ってファイナリストが2人増やされるんですね。毎シーズンこうなので全然びっくりじゃありません。でも本選の回数は増やせないらしく、最初の方で落ちる人が増えます。これって出場者にとってお得感はあるんでしょうか。

今回、パラグアイのタニアは審査員のジョン・セカーダ(キューバ人歌手)に「sazon が足りんよ」みたいなことを言われてました。

その後歌ったドミニカのマルタには「sazon があるというのはこういうことだ」と。

sazon を辞書で引くと、「成熟(した状態)」「味」「時機」などと書かれています。うーん、なんとなく言いたいことはわかるんだけどどういう日本語になるかわかりません。「円熟味」ということでしょうか。ただ、マルタは18歳なので「円熟」と言ってしまうと少し違う気も。

マルタは今期、私のイチオシです。ルックスはイマイチかもしれないけど歌はうまい。オーディション番組の王道ですね。そのイマイチなルックスがだんだん垢抜けていくのも楽しい。

タニアはない。彼女の歌は本当に、歌詞と音程を追うだけでいっぱいっぱいという感じです。しかし人気はあるようで、その先週分でも落ちませんでした。

なぜ人気があるか。こちらの公式サイトをご覧ください。
http://www.myspace.com/latinamericanidol

タイトルから下に少しスクロールすると20人のファイナリスト(本選の前にもうひとつ、視聴者投票で複数落ちる予選があるので20人)の一覧がありますが、一番下の右から2人目、バービーみたいなのがタニアです。

結局顔か。ブラジルズ・ネクスト・トップモデルとかメキシコズ・ネクスト・トップモデル(という番組があるんです。ほんとに)に出た方がよさそうな。というかもう少し年を取ったら実際に出るんじゃないかと思います。たしかこの子はまだ十代なので。そのモデル系番組が何歳から出られるものか知りませんが。

顔がいいのは全然かまわないんですけど、歌もうまくないと困る。そういう番組なんだから。

今週落ちた2人のうち1人はコロンビアのオスバルドでした。この子、去年もこのあたりで落ちてます。何回でも応募できるのか回数制限があるのかはわかりませんが、彼は彼でもう諦めた方がいいと思う。歌も顔も悪くないので、たぶん視聴者層の好みと合わないんだと思うんですよね。コロンビアのオーディション番組に出ないのは何かこだわりがあるのか、既に落ちたあとか。

彼の顔にはなんか味があります。日本の大衆演劇の女形系の顔。日本人よりは多少彫りが深いと思いますが。目付きとか、年を取ったら ネストール・セラノ みたいになるんじゃないかと思います。それくらい年を取った方が個人的には好みですが、彼本人にはどうでもいいと思います。

2009年10月26日月曜日

Los simuladores

もう何話かわかりません。何本ものビデオテープに1話とか2話とか入ってて……。ただ、この前のクローン話よりあとなのは確かです。たぶん11話くらい。

老人ホームの持ち主が建物を売ろうと考えたために、住んでいる老人たちが路頭に迷いそうになる。それを助ける話。

持ち主は30代くらいの独身女性のようでしたが、彼女にどこか影のある男性が接近し、さらに高い値で買いたいと持ちかける。謎に満ちた彼と夕食を共にした翌日、聖職者らしい男たちが現れ、その男はヴァンパイアだと告げる。

男がヴァンパイアであることがどう関係するのか今ひとつわからなかったんですが、持ち主は最終的に建物は決して売らないとその聖職者(自称)に言う。

という話で、クローン話と同様トンデモに見えるんですが、これがどのくらいトンデモかは日本人にはわかりにくいような気がします。日本人から見ると、「そんなこと信じる人がいるわけないじゃん」と思えますが、それは例えば日本人の「縁起が悪いからお祓いしてもらう」という考え方と通じるものがあるかもしれません。

日本を舞台にして、「この建物を壊したら土地の神様を怒らせる」と言われる、というような話があったとしたら、これはたしかに騙される人もいるかもしれないと日本人には思えるのでは。

ところでこれは今日見たのでハロウィーンシーズンにぴったりと思えますが、実際には先月くらいの放送です。10月は映画やテレビは確かにホラーシーズンなんですが、ハロウィーンではなくてカトリックの「死者の日」のためなのかもしれません。しかし死者の日自体はメキシコの方が盛んのようで、コロンビアではあまり派手な行事などは見かけません。

2009年10月25日日曜日

パステル

昼食時、ひとりだったのでフルーツサラダで済ませようと思いましたが、いつもの店が閉まっていました。1~2週間に1度しか行かないのでよくわからないんですが、完全に閉店しちゃってたらいやだなぁ。気に入ってる店なのに。少し歩くとまた別のフルーツサラダ屋があるんですが、そちらはアイスクリーム入りを頼むとちょっと多すぎるんです。ココの千切りがたくさん入っててもそもそするし。言えば抜いてくれると思いますが、ときどきしか行かない店なので気が引ける小心者。

というわけで、パンを買う用もあったのでパン屋でエンパナーダを買うことにしました。

しかし売り切れ。「パステルならありますよ」と言われました。パステルとは、このあたりではパイのこと。パイは皮からしてもそもそしていてあまり好きではありませんが、背に腹は代えられません。値段を聞くと 1300 ペソでエンパナーダよりやや高い。この店のエンパナーダは 900 ペソなんです。

でも2つ買うことにして、「牛肉と鶏肉と1つずつ」と言ったら牛肉は売り切れてました。なぜみんな鶏肉を避けるの? 週末のせいか、軽食の売れ行きがよかったようです。

昨日書いたような理由で鶏肉は敬遠していたんですが、この店では鶏肉のエンパナーダを買ったこともあるし、信用して鶏肉パイを2個買いました。

そしたら意外とおいしかったです。パイの皮はもそもそするのが仕様なので仕方ないんですが、中身の鶏肉はさほどぱさぱさでなく、卵も入っていました。しかし値段の高さは伊達ではなかったようで、2個食べたらかなりおなかがいっぱいになりました。1個でもよかったかもしれない。

そもそも外で食べる鶏肉に気を付けようと思ったのは、カルフールのチキンサンドに当たったことがあるからです。ここのサンドイッチはフランスパンに挟んであるんですが、チキンはやはりゆでたもので、火が十分に通っていなかったようです。それまで何度か食べていて大丈夫だったんですが、甘かった。それ以来、カルフールでサンドイッチを食べるときはターキーにしています。これだとハムなので。

カルフールの悪口をよく書いているような気がしますが、普通に買い物する分にはいいんです。家からも近いし、魚なんかかたくさんあり、値段も手頃でうれしい。が、ここの内部のカフェテリアとは相性がよくないようで、ここで食べてはときどきお腹を壊します。悪いものを出すというよりも、まさに相性がよくないんでしょう。料理にチーズや乳製品が入っているとダメです。チーズが上等すぎるのか……。

2009年10月24日土曜日

コロンビアのエンパナーダ

昨日ちょっと書いたエンパナーダですが、ご存じの方も多いと思う南米料理です。小麦粉で作った皮で挽肉などを包んで揚げた、大きめの揚げ餃子みたいな? 私が知っているのはコロンビアのものだけですが、コロンビアでは主に牛肉のもの(挽肉はこれ)と鶏肉のものがあります。

最近はお米も一緒に入っているものも多いです。何年か前まで、近所にお手製のエンパナーダを出す店があり、そこは安いし、具もソースもいろいろあってよかったんですが、調理人兼店主のおばさんが身体を壊してしまったそうで閉店されてしまいました。

具いろいろのエンパナーダには、ゆで卵、マッシュルーム、チーズなど、本当にいろいろなものが入っています(ひとつにすべてが入っているわけではありません)。

ソースと書きましたが、ボゴタのエンパナーダには基本的に普通の塩味くらいしか味がありません。店頭にアヒ(とうがらしのこと。からい)、マヨネーズ系、アボカド系などのソースが用意され、それをつけて食べるのが普通です。

パン屋にもよく売っています。また、チョリソやアレパなんかを置いたコロンビアで言うファーストフード(comidas rapidas)の店にもありますが、こういう店のは冷凍品をあたためたのが多い感じでやや不満。それも店によってはそこそこおいしいですが。

ぱっと見たファーストフードの店などで試しに食べるなら、牛肉の方が安全です。鶏肉は少し前に食中毒が出て問題になったのと、鶏肉の場合たいていは(丸ごと?)ゆでた肉を裂いたようなのが入っているんですが、中まで十分に火が通っていないことがたまにあり、それもまた食中毒の原因になる可能性があるからです。

値段は、住宅街のパン屋なんかで買うと 1000 ペソ以下ですが、ファーストフードの冷食品だと 1200 ペソ(うちの近所調べ)。町なかのショッピングセンター内にあるチェーン店だともっと高いんじゃないかと思います。ちなみにこれまで食べた中で最もまずかったエンパナーダは、大手スーパーのカルフール(コロンビアではカレフールと呼ぶ)のものでした。何年か前のことですが。

2009年10月23日金曜日

ラテンアメリカンアイドルとコロンビアの携帯電話

『ラテン・アメリカン・アイドル』はその名の通り、『アメリカン・アイドル』のラテンアメリカ版です。『Los simuladores』と同じく SONY チャンネルで放映されており、ラテンアメリカ全域をカバーしているのが特徴。優勝者はもちろん、SONY からデビューします。

今年で4年目になりますが、第2シーズン頃から既に、中米諸国の強さが目立ってきました。まあそういうこともあるかなーと気にしてなかったんですが、よく考えるとこれは、メキシコ、アルゼンチン、コロンビアなどのラテンにおけるメジャーな国だとその国のオーディション番組があり、そこで国内デビューしてもそこそこの知名度が得られるからかも。コロンビア国内のテレビをほとんど見ないのでそこに思い至るのが遅れましたが、たしかコロンビアには『Factor X』という番組があり、けっこう人気あるようです。これはイギリスの『X Factor』という番組が元になっているよう(『アメリカン・アイドル』も元はイギリスの番組)。

上のメジャー国でブラジルを入れていませんが、この番組は基本的にスペイン語ベースなのでブラジルはさりげなくハブられちゃってるんです。アルゼンチン予選などでたまにブラジルの子がいますが、スペイン語が話せるのが前提。ブラジルにはスペイン語が話せる人は多いようですが、この番組ではめったに見ません。ブラジルのことはよく知りませんが、やはり国内に同様の番組があるんじゃないでしょうか。

ところでこの番組の投票は携帯電話で行うことになっています。投票する人も各国にいるわけなので、受付とか集計とか大変そう。しかし投票も面倒そう。

『アメリカン・アイドル』を見たことのある人はご存じかと思いますが、この番組では普通、出場者が歌っているときに画面の下部に「この人に投票するときはここにかけてください」みたいなテロップが出ます。しかしラテンアメリカの衛星・ケーブル系の放送局はすべての国に拠点があるわけではなく、たとえばうちだと SONY の電波はベネズエラから流れてきますから、そのテロップにある情報はベネズエラのもの。

コロンビアでもベネズエラと同じ番号にかければいいということはサイトを見てわかったんですが、逆に言えば、サイトを見なければそれはわからない。テロップにはそのメッセージを携帯で送るときにかかる料金がベネズエラの通貨(ボリーバル)で表示されているので、普通は各国共通だとは思いませんからね。

コロンビアでも携帯電話はかなり普及していますが、私が携帯を持ちはじめたのは今年の3月頃。今年のこの番組を見始めてから、そういえば投票できるなと思いました。しかし1回1750ペソでやや高いような。1750ペソあったらエンパナーダ1個買ってお釣りが来ますよ。この番組は複数投票も奨励されていますが、あんまりがんがん投票する人はいないんじゃないかって気がする。

私の携帯はプリペイド(prepago)で、だいたい1カ月1万ペソ買うんですが、普通は1万ペソリチャージすると2倍とか3倍とかのサービスが付いて2万とか3万ペソ分使えます。しかし1万ペソだと1カ月しか期限がなく、1カ月たったらそれまで。また次の1万ペソを買わないといけません。でも私は基本的にほとんど携帯で通話しないのでいつもそれがほぼ丸ごと残っていてもったいない。だから投票にお金がかかるのは別にかまいません。が、今は前回の期限が切れてから全然リチャージしてないので通話料がないんですよね。リチャージが微妙に不便でめんどくさい。いや、近所の店でカードを売ってればいいんだけど「5000ペソのしかない」とか言われる。5000ペソだとめったにサービスが付かない上、期限が1週間なので大変もったいないです。

ところでコロンビアではこの通話チャージのことを minuto と言います。「携帯に電話してくれる?」と言って、"No tengo minuto". と言われたら、「通話料ないからかけられない」ということ。プリペイドを使っている人が多いので、これは非常によく聞く表現です。自分からはかけられないけど受信はできるからOK。なんてラテン的。

2009年10月22日木曜日

メキシコの冤罪事件

数日前の新聞に、メキシコで起きた冤罪事件とそれを記録したドキュメンタリー映画の記事が掲載されていました。

これも突き詰めればどこの国にでもある問題かもしれませんが、メキシコは特にひどいようです。昨日の記事に書いたように『Los simuladores』には警察の腐敗を取り上げた事件が多く、メキシコの人はみんな警察が嫌いなのか、と冗談ぽく思っていましたが、それはもうシャレにならない状態らしい。

この記事(「Wall Street Journal」というページにあったのでアメリカの新聞記事の翻訳のようです)によれば、いったん逮捕された場合の有罪率は 85% 以上。それだけなら警察が優秀だとも考えられますが、逮捕の 60% 以上は事件発生の 3 時間以内に行われるらしい。さらに容疑者 10 人のうち 9 人は何の物的証拠もなく有罪を宣告される。などと書かれています。

ドキュメンタリーは身に覚えもなく逮捕され、逮捕後に自分が殺人犯とされていることを知ったメキシコ人青年の話で、彼に力を貸したアメリカ人(名前から察するにラテン系)弁護士たちがカメラを持ち込んで映画にしたようです。今年のトロント映画祭で上映されたそうで、タイトルは『Presumed Guilty』。

2009年10月21日水曜日

Los Simuladores 2-9

『Los simuladores』はもともとアルゼンチンで制作されたテレビドラマです。その後ラテンアメリカ各国でリメイクされ、去年からメキシコ版が放送されています。メキシコ版は Sony Entertainment Television というラテンアメリカ全体をカバーするケーブル・衛星系チャンネルでも放映されるため、国際版とも言えます。私が見ているのは当然 Sony。

メキシコ版にはメキシコで活躍されている日本人俳優 Takabrown さんが準レギュラーのような感じでちょくちょく出演されています。このドラマの撮影の様子も書かれた Takabrown さんのブログは こちら

このドラマの内容は、トラブルに巻き込まれた人を4人組の正体不明の男たちが助けてあげるというもの。どちらかというとコメディよりでしょうか。助けてあげる相手が必ずしも正しくないことがあるのがラテンぽくておもしろい(高校生のカンニングの手伝いをしたり)。

今週見たのは(注:これは10月上旬に別ブログに投稿したものの再掲です。見たのは今週ではありません)第2シーズンのたぶん9話目です。ビデオがたまっていて順番がわからなくなっているので確実ではありませんが。

これは今シーズンの最高エピソードじゃないかと思いました。前半のリアルな恐怖と後半のトンデモっぷりの落差が素晴らしい。

今回の依頼人は夫の家庭内暴力に悩む妻。これはどこにでもある問題ですが、コロンビアでもときどき新聞で大きく取り上げられる社会問題です。メキシコも例外ではないんですね。

依頼人は裕福なレストラン経営者の妻ですが、夫に精神的な虐待を受け、ときには肉体的暴力もふるわれています。それを見かねた妻の友人が警察に届けを出します。しかし、「彼女の夫は市(彼らが住んでいるのはアカプルコ)の有力者とつながりがあるので彼女の名前を出すのは控えたい」という友人に対し、警察の受付が「大丈夫、秘密はきちんと守られますよ」と言うんですが、数時間後には署長から夫本人にじきじきの電話が。

あー、きっとメキシコでは日常茶飯事なんだろうな。コロンビアでもきっとある。それどころか、世界中探してこういうことが起きない場所ってほとんどないのでは?

いやつまり、署長には悪いことをしている意識はないんですよ。えっ、あの○○さんが? そんなことする人には見えないけどなー。ちょっと本人に注意しとこう。

こんな感じ。自分の知らないところで警察に届けが出されたことを夫の口から聞く妻の絶望感。

事件を解決する4人組には、たまたまその場に居合わせた以前の依頼人などから口コミでたどることになっています。

あとネタバレ(実際にこのドラマを見る人は少ないと思うので特に隠していません)。

作戦に従い、夫はメキシコシティに呼び出されます。話によると、夫を含めてそこに呼び出された数人の遺伝子は秘密裡に行われた生体実験に使われており、クローンが作られていたという。それぞれのクローンは特定の能力を伸ばされていた。彼らはその夫以外のクローンがさまざまな活動をしたり、実験に使われたりしている場面を見せられる。

しかし夫のクローンはそこにはおらず、地下で厳重に監視されているらしい。ほかのメンバーから離されてその地下室に行った夫が見たものは、血まみれになって倒れている数人の特殊部隊らしき制服に身を包んだ兵士だった。「クローン X900 号は逃げてしまった」と通信する案内者たち。

このあと彼はそのクローンの追跡に連れて行かれ、クローンは彼の身分証やパスポートを奪ってしまいます。最終的にクローンは逃げ、彼は殺人者であるクローンと混同されて逮捕などされないよう、国外逃亡することを勧められます。

国外に逃げる直前、妻に電話して「俺が近づいてきたら逃げろ」と警告する夫はちょっと切なくないこともない。その後彼はアラスカに行った模様です。

しかしもちろん、彼のクローンというのは存在しません。彼自身、「クローンが襲撃して逃げたあと」しか見てないんです。ほかのメンバーはみな仕掛け人で、クローンとされたのは双子(作戦ごとに雇われエキストラがいます。ほかにレギュラーの協力者もおり、Takabrown さんがされているのはその1人)。

今回はまた、この夫を別室に閉じ込め、音声だけで緊急ミーティングの様子を聞かせる場面がありましたが、このミーティングはみんな台本読みながらスーパーで買ってきた寿司で食事してる。普段はあまり見られないこの生活感というか作戦の舞台裏みたいなのも楽しかったです。