2009年12月31日木曜日

バリチャラへの旅

新聞によると、バリチャラという町は「ボゴタで最も美しい町」であるらしい。それを読んで夫が行きたいと言い出しました。今回の旅行の最初の目的地はそこです。

ボゴタはクンディナマルカという県にあり、その北はボヤカです。さらにその北、サンタンデールにバリチャラはあります。

ボヤカは広いのですが、ボゴタから近い場所は高地にあり、なんとなく寒いです。旅行のときはだいたい早朝出発なので余計に寒く感じます。事実、ボヤカに入るといかにもアンデスという感じの毛布みたいなポンチョを着た人を多く見かけます。

サンタンデールに入って、ある地点を過ぎると急に暑くなりました。休暇気分が盛り上がっていい感じです。街道沿いの町にもプールがあるのが目に入ります。

サンタンデールの首都はブカラマンガという都市ですが、目的地はそこよりも手前にあります。サン・ヒルという少し大きめの市(人口は4万5千人らしい)から少し西にそれたところにバリチャラはありました。

そこはコロニアル時代の街並みがそっくり保存されているという、人口1万2千人の町です。実を言うと、ボゴタからさほど遠くない、ボヤカの中にビジャ・デ・レイバという有名な町があり、そこもそんな感じ。なのでバリチャラがものすっごくすごいかというとそうでもないかもしれません。ただ、ビジャ・デ・レイバがかなり観光地になっているのと比べるとほどよいぬるさを感じます。

白い壁と緑の窓枠でほぼ統一された街並み。ごつごつした石造りの教会。石畳の路面。そんな町の中央広場にクリスマスのためか巨大なピンクのフラミンゴが立ち、どこかすべてを台無しにしている感じが微笑ましい。

標高はだいたい1300mで、ボゴタに比べると暑い場所です。石細工などが名産のようで、そんな工芸品の店がいくつもありました。町の外側には工房も並んでいます。ほかには乳製品も名産のようです。

ここに着いた時点でもう午後3時頃だったので、ホテルの予約をしていない私たちには実際にはあまりそこを見る時間はありませんでした。広場でちょっと休憩して甘い物を食べたりしていたら雨が降ってきたため、すぐホテルを探しに行くことに。

犬連れなので郊外のシンプルなホテルがいいのです。幸い、バリチャラとサン・ヒルの間に何軒かホテルがあり、小ぶりながらきれいなところが見つかって、犬がいても大丈夫といわれたのでそこに決めました。ひと部屋一泊8万ペソで、夫は少し高いんじゃないかと言っていましたが、実際に翌朝支払いをしたときは、ひとり1万2千ペソだったはずの夕食代を含めて10万ペソきっかりだったそうです。朝食は込みでした。

犬たちは暑さもあってくたくただったんですが、夜は涼しくて幸いでした。

翌日は世界第2の峡谷らしい、チカモチャキャニオンが目的地です。

なお、写真は写真のみのページを別に作ろうと思っています。

2009年12月22日火曜日

旅立ちはいつも突然

12月に入ってしばらくしてから休暇に入った夫が、車で旅行に行きたいというので「で、いつ行くの?」と聞いたら「うーん、あさって?」と言ったのが昨日の話です。

なので、明日から3日ほど留守にします。行き先は北の方。帰ってきたらレポートできるかと思います。

2009年12月18日金曜日

ノベナの始まり

クリスマスの9日前からノベナというものが始まります。

うちは夫がカトリックではないのでクリスマス行事的なものはほとんどしないんですが、ノベナというのはクリスマスまでの9日間、集まって歌を歌ったりする行事です。

今夜はうちのお2階さんが集まる場所だったらしく、ご詠歌のようなものが聞こえてきました。タンバリンの合いの手が入ります。

何年か前、日本から来ていた若い女の子が「コロンビアのクリスマスソングって楽しくない」と言っていましたが、たしかに楽しくない。というか、楽しむための歌じゃないんじゃないかな。あるいはコロンビア人はこれで楽しいのか。

ノベナが始まるといよいよクリスマスも秒読みです。

2009年12月17日木曜日

バスの歌うたい

バスに乗っていたら、子供連れの若い女性が乗ってきました。

普通は前のドアから乗って料金を払うんですが、彼女は後ろから乗り、料金を払う様子がない。荷物も持っていないので、物売りではなく物乞いに近い人、というか物乞いだろうと想像しました。

物乞いと言い切っては悪いかもしれないのですが、だいたいこのパターンだと自分の窮状を切々と訴えていくばくかのお金があるとありがたい、というようなことを言うので、やはり事実上の物乞いです。

彼女もやはり窮状を訴えました。どうやらシングルマザーで子供を抱えているのに仕事がないらしい。

どこまで本当かわかりませんが、こういうお金の稼ぎ方を好んでしたい人もいないだろうし、何よりそれほど儲かるとは思えないので、ある程度切羽詰まっていることは事実なのでしょう。

と思って聞いていたら、彼女は歌を歌いはじめました。物乞いではなく、流しの歌うたいだったんですね。

こういう人は普通なんらかの楽器を持っているので、身ひとつというのは珍しい。歌はわりとうまかったです。コインを少し払いました。

『ラテン・アメリカンアイドル』を見ていて複雑な気持ちになるのは、音楽の仕事の底辺にはこういう人がいるのだということを思い出さずにいられないからです。バスの中の彼女の場合、音楽を仕事にしたいとさえ思っていないかもしれない。

その『ラテン・アメリカンアイドル』ですが、結局ドミニカ共和国のマルタが勝ちました。複雑な気持ちになったあとで何ですが、彼女にはスケールの大きさを感じるので先々楽しみです。

2009年12月14日月曜日

ハンドクリームを求めて

晴れて暑いほどの日が多いのですが、これはエル・ニーニョの影響だそうです。とはいってもボゴタなので日の当たらないところは涼しいのですが。

もっと低いところに行くと、影でも空気がなまぬるくて驚きます。

ところで私は血行が悪いせいか手が荒れやすく、日本に住んでいた頃は冬にはいつも手ががさがさでした。これはユースキンAというハンドクリームでないと治らないのです。

こちらは年中秋のような気候なので油断するとすぐ手が荒れます。日本から来る人に買ってきてもらったりしてほそぼそと持っていたユースキンがついに切れてしまいました。

困った……ワセリンとか効くかな。

とりあえず近所の薬局で相談してみることに。

「手のクリームありますか? 薬っぽいのがいいんだけど」と言ったら、実際に私の手を見て店員さんが出してくれたのはどこか飲み薬のような容器。たしかに薬っぽい。バイエルのマークも。

半信半疑だったので小さいのを買い、家に帰ってよく見ると材料は酢酸アルミニウム。なんかこれしか入ってないようなんですけど?

アルミニウムという言葉にややびびり気味。ネットで調べるとブロー氏液というものらしく、日本では薬局などで売っているものではないようです。アレルギーの治療に使われることがあるとか。値段は安くて、60ml 入りで 4500 ペソ(200 円ちょい)。

「よく振って塗れ」と書いてあったのでそうしてみました。色は白く、匂いは木工用ボンドに似ています。

驚くなかれ、これを1日2回ほど塗っていたら3日ほどで症状が改善しました。がさがさが治ったのでその後は1日1回しか使っていません。

これで日本の人に買ってきてもらわなくてすみます。助かった。安いし。

商品名は Acid-Mantle N。カレフールなんかでも売ってます。しかし値段は近所の薬局の方が安かったです。

2009年12月12日土曜日

日本料理を作ろうかと考えてみた

昨日、近所に住む夫の親戚からお手製のエンパナーダをもらいました。数日前から「木曜にエンパナーダを作ってお裾分けしてくれるらしいよ」と聞いていたので、何か大がかりな行事なのかと思ったんですがそういうわけでもないらしい。クリスマスが近くなるとエンパナーダを食べるとかいうこともありません。

夫が帰ってきた頃にはけっこう冷めていましたが、それでも手作りなのでおいしかったです。

いつもいろいろな物をもらうので、何か日本っぽい料理でも作って分けてみようかと思わないでもありません。私は今までにそういうことをしたことがないのです。なぜかというと、主に料理が嫌いだからなんですが。

何か日本の行事にちなんだ食べ物で、簡単にできそうなものってないかなーと考えたのですが、材料が手に入るとか入らないとかいう以前に問題が。

コロンビアの人はあんこが嫌いなのです。もちろんそれを食べたことがある人はほとんどいないわけですが、とにかく豆が甘いのはダメなようです。トウモロコシが甘いとか(アレパ)、米が甘いとか(アルロース・コン・レチェ)いうのは許せるのに、なぜか豆は許せないらしい。

夫は一時、日本にいたことがあるんですが、一度スーパーで「あ、フリホーレスだ」と思ってあんこの缶詰を買ってしまい、すごく衝撃を受けたそうです。

小ぶりのフリホーレスを使えばぜんざいなんかは比較的簡単にできそうなんですけど。じゃあ、日本の伝統料理を作る案はボツってことで。

2009年12月10日木曜日

クリスマスシーズン到来

昨日の火曜日は祝日でした。聖母受胎の日です。コロンビアの祝日はたいてい月曜に移動するので、これは数少ない固定祝日です。ほかには独立記念日とクリスマスが固定です。

その前夜はろうそくの日(正式名称がわかりません)。家の前などにろうそくを立てて火をつけます。

私たちが住んでいるアパートの共有地でも小道沿いにいくつもろうそくが立てられ、幻想的な光景になっていました。

これが過ぎると本格的にクリスマスシーズン。個人の家のイルミネーションも出揃います。

コロンビア(ボゴタ)のクリスマスの料理はブニュエロ(丸いドーナツのようなもの。甘くない)とナティージャです。

ナティージャはどうも、例によってコーンスターチで作るらしい。食感はういろうに似ています。これは甘いです。

肉屋の店先には「ブニュエロの生地あります」という貼り紙がされていました。

2009年12月1日火曜日

コロンビアの市場

夫が数日、職場の旅行に行っていたのですが、こんなおみやげを買ってきました。


コロンビアにはこんな感じのおみやげが多いです。伝統的な家の模型(前面のみで壁に掛ける)とか、たくさんの人や荷物を載せた「チバ」というバスの模型とか。

好きなんですが、家などは壊れやすいのが難。一度、帰省するときに持っていったら屋根の部分が少し欠けてしまいました。あと、ちゃんと飾るなら家の中を(模型の方でなく)もう少しきれいにしないと……。

写真のものは、高さが13センチくらいです。小さいものは何なのかよくわからなかったりしますが、前面のまんなかにあるのはチリモジャでしょう。隣がニンジンとアボカド。アボカドよりニンジンが大きかったりして、スケールわりと適当。

台の上の赤いのはピーマン。こっちのピーマンはほんとにこんなのです。台の右端にあるのはパパイヤ。奥にある緑のものは何なのかわかりません。ぶら下がっているものもやや不明。オレンジ色はグラナディージャにも見えますが、普通は吊して売るものじゃないし。

これでだいたい15,000ペソ。ボゴタで、日給で働く労働者はだいたい1日25,000ペソくらいなので、それよりずっと安い仕事になってしまいます。もっとも、ひとりで全部作るんじゃなくて、部品を作る人とか組み立てる人がいるんじゃないかと想像しますが。また、ボゴタの民芸品店で買うともう少し高いかも。