2010年5月4日火曜日

大統領候補アンタナス・モックス

コロンビアは5月末の大統領選挙を控えてキャンペーンの真っ最中です。私は最近こそ Twitter に書くために新聞をほぼ毎日読んでいますが、読んでいない時期の方がはるかに長いので政治の動向についてはよくわかりません。

そんな中、すごい勢いで支持率を高め、国内外から注目を集めているのが候補のひとりアンタナス・モックス。自分自身もよく知らないので英語 Wikipedia を読んでみました。なぜ英語かというと英語の方が読むのが楽だし、ざっと見たところ英語の方が詳しそうだったからです。

忙しい人のためにごく簡単にまとめるとこんな感じです。
元ボゴタ市長。現在はコロンビア緑の党から大統領選に出馬。副大統領候補は元メデジン市長のファハルド。もともとは国立大学の学長を勤めたこともある数学者。名前がラテン系っぽくないのはリトアニア系だから。

フルネームは Aurelijus Rutenis Antanas Mockus Šivickas だそうです。最初とか最後とか、読めない。

ボゴタ市長時代に市内の殺人件数を70%引き下げたり、下水道を95%の家庭に普及させたり(この辺の数字は Wikipedia から)とさまざまな改革を行い、そのあたりのことがドキュメンタリーになったようで、NHKでも放送されたようです。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/100323.html

今も年に1回行われている「車を使わない日」もモックス時代にできたらしい。あと2両バスで専用レーンを走るトランスミレニオとか。

ただトランスミレニオは運営開始から10年経って、けっこう問題が出てきています。これはあとになってから考えなしに路線を増やしたせいかと思いますが、車両が少ないために待ち時間が増え、市民による抗議行動にまで発展しています。

あと、できた時から安普請だと思ってはいましたが、やはり利用者の多い駅(バスなのに駅がある。ボゴタとしては画期的)はできて数年後から、プラットフォームや階段にガタが来て危険な状態になっています。もちろん順次メンテナンスがされていますが穴があいてるところもある。また道路基盤が脆いのか路面がよくボコボコになるためその工事もよくやっていて、結果としてほとんど常にどこかの駅が工事中。

それはさておき、市長時代から一種のカリスマ性みたいなのがあったのは確か。私は99年からボゴタに住んでいますが、顔のわかる市長は彼だけ。

ただ、大統領選には以前も出馬して惨敗しています。なぜ今回、下手をすると現職ウリベの後継者を押し退けて当選するかもしれないというところまで上がってきたのかはよくわかりません。

新聞などでよく取り上げられているのは、インターネットを駆使した活動を行っていること。Facebook(http://www.facebook.com/a.mockus)にはたくさんの「ファン」がいるそうです。Facebook に入っていなくて画面の見方がよくわかりませんが(Facebook は夫の親戚のたまり場になっているので入りたくないんですよね……)、511,476 People Like This というのが一応支持者と考えられる人でしょうか。

市長時代は命を狙われる危険から常に防弾ベストを身に着けていました。大統領選ではポロシャツとかの軽装のようなので、それほど差し迫った危険を感じていないのでしょうか。コロンビアはリベラル系政治家の暗殺は日常茶飯事なので、とにかく無事に選挙戦を終えてほしいものです。

4 件のコメント:

  1. >>エクアドルのスクンビオス州裁判所(CPS)は、サントス候補にたいする逮捕命令を出した。これは2008年3月1日、コロンビア軍がエクアドル、アンゴストゥーラのコロンビア革命軍(FARC)のキャンプを爆撃し、FARC指導者のラウル・レジェスほかFARC兵士、エクアドルの市民、フランクリン・アイサジャ、3人のメキシコ人学生など26人を殺害した首謀者としての容疑である。

    2010年2月、この件は一旦は証拠不十分として、起訴猶予となっていたが、4月18日、サントス候補はテレビの討論会のなかで、「わたしはこの件について誇りに思っているし、わたしがウリベ大統領とともに決定した」と述べた。これを受けて裁判所は審理を再開、エクアドル検察は外務省を通じて、サントス候補の引き渡しを要求<<

    ・・・という報道を見ましたが、なんだかな。開き直るというか
    自国の国益という大義妙分があれば何をしても許されるという発想は
    人間の世界共通の意識の様で。ホントは国益とかそんな事ではなく
    「自分と考えを同じくする者たちの利益」でしかないんですが、
    その区別がつく人はほとんどいないわけで。

    であるならばモックス氏が狙われるのは自明の理なのかもしれません。
    自分たちの利益に反する邪魔者は消す。
    そういう行為を国民が望み黙認してきた歴史があるので。

    それは日本でも同じです。

    返信削除
  2. 選挙すごいですよねー
    僕は2ヶ月前にコロンビアに引っ越してきた、
    日本でいうと高校1年生です。
     
    コロンビアって政治に関心ある人、
    日本に比べると割合高いですよねー
    年寄りから子供まですごい、見てて関心します。
    まだ、コロンビアのこと良く理解できていないけど、
    自分的にはモックスさんに当選していただきたい。

    返信削除
  3. お久しぶりです。新しい波が押し寄せている時って選挙も盛り上がるでしょうね。日本も大きな波がどっと民主党に流れたのですが、期待はずれでガタガタです。それにしても、政治家の暗殺・・・さすがコロンビア! 無事に終わることを願ってます。そして安定した社会の ”コロンビア”になりますように。

    返信削除
  4. 例によってコメント欄がものすごい放置ですみません。
    ここは未承認のコメントをメールで知らせてくれないのですよ……。

    そういえば選挙戦の結果をご報告しなくては。結局、サントスが1位でしたが半数に満たなかったのでモックスとの間で決選投票となりました。6月20日だったかな。

    >タナカさん
    承認が本当に遅くてすみません。
    この件、詳しくは知らなかったのですが、思えばエクアドルと戦争にならなかったのは幸いでした。いや、まだ戦争になっていないというだけなのか。

    >匿名さん
    はじめまして。
    (匿名さんという方が以前もいらっしゃったので、もしもまたコメントをいただくことがあれば何かお名前を付けていただけるとありがたいです)
    コロンビアの選挙への関心は本当に高いようですね。国内に問題が多いことにも関係があるような気がします。
    モックスは決選投票で盛り返すでしょうか。木曜にまた討論中継があるようですね。

    >Andaluzaさん
    とりあえずこの前の投票日は特に混乱もなかったようです。
    本当に安定した社会になって欲しいです。

    返信削除