最初は夫だけが犬と歩いて私は車で待っていてもいいと思ったのですが、暇すぎて退屈しそうなので一緒に行くことにしました。
市場のすぐ奥に、山に登る道があります。
しかしすごい急坂。遊歩道に入る前に、私は既に息切れしていました。日頃の運動不足ももちろんあると思いますが、そもそも標高が高いので慣れない人がいきなり歩くのは危険です。遊歩道に沿って山道を歩いていくと3000m近くなります。
遊歩道は石畳がきちんと整備されていて、どこを歩けばいいかわかるようになっています。最初の部分は傾斜がきついためか階段になっていました。

日本の神社の石段って……こんなんだったかなぁ……はぁはぁ。みたいな感じです。
遊歩道の始点には地図があり、途中にはなんらかのサービスに使うらしい建物がありました。しかし建物は今はまだ使われていないのか、閉まっています。

その周囲では子供たちが遊んでいました。地図に洞窟があると書かれていたこともあって、夫がひとりの女の子に尋ねてみました。
「この先に洞窟があるの?」
「あるよ」
「ここをたどっていくの?」
「うん」
「ここをずーっと行ったら洞窟って書いてある?」
「うーん……行けばわかるよ」
うるさがられたようです。夫は実はものすごい方向音痴で本人にもその自覚があるので、知らないところに行く時はあらゆる人に方向を聞きまくるのです。メデジンに行った時はメデジンから出る手前でほぼ1ブロックごとに人に聞き、なおかつ最後の曲がり角で間違えてまたメデジン市内に戻るところだったくらいです。私が何か言っても信用してもらえません。初めての場所では迷うのが普通である彼にとって、行ったことのない土地で行くべき方向を勘で知るというのはありえないことのようです(勘というか……これまでに走ってきた方向を考えればそこで逆に曲がることはさらにありえないと思うんだ……)。
その建物の先の道はまだちゃんと整備されていなくて未鋪裝でしたが、一本道で迷うことはありませんでした。
途中の農家からニワトリが迷い出ていたので、山に入ってから放していた犬たちをつなぎます。うちのメス犬には、農家のニワトリを狩った前科があるからです。
いったん下ってまた上がると、「こっちが洞窟」みたいな看板がありました。非常に狭い道です。
ちょっと行ったらすぐに洞窟がありました。見るべきところと言ってはこれだけ。でもそれだけにほかに人がおらず、ちょっと休憩するにはいいところです。昼食とか持ってきてもよさそう。火は使えない気がしますが(火をたくところはあるけれど)。

あとで聞くと、洞窟自体は昔からあるものだそうで、実際に先住民が使っていたのでしょう。スティーヴン・バクスターの小説 "Evolution"(これ自体はSFですが)の中の、ネアンデルタール人とクロマニヨン人が出会ったのはこういう場所かと想像されます。
その先には(少なくとも今は)何もなさそうだったので戻ることに。
ここまでは町から2キロもなく、道の途中から町がすぐ見える程度の場所なのですが、ひとけがないので一人歩きはお勧めできない気がします。治安が悪いとは思えませんが、もし何かあって動けなくなったら誰も助けてくれない可能性があります。携帯は通じるようですが。

戻る途中で、ひとりの男性がさっきの子供たちの何人かと数匹の犬を連れて歩いてくるのに出会いました。どうやらここの管理人らしい。さっき道を教えてくれた女の子は彼の娘で、彼は「小さいガイドなんですよ」と言っていました。
電話番号を聞かれたので(一応、何かを記録しているようだった)向こうの携帯番号も聞いて別れたのですが、彼が連れていた犬のうち、子犬が私たちの後ろをついてきてしまいました。

彼らの犬ではないようなので最初のうちはよかったんですが、もうすぐ町、というところまで降りてきても離れようとしません。私がちょっとかまったので、自分も私たちの群れの一員だと独り決めしてしまったのかも。
町の手前の農家の前に立ち話している人たちがいたので夫が助けを求めてみました。
「この犬の家がどこかわかりませんか?」
「さあねー」
「獣医さんの家の犬らしいんですけど(さっきの男性がそう言っていた)」
「ああ、それなら○○先生の家だわ。もうちょっと上の方の」
上なのかよ!
結局、通りかかった若い男の子が上に向かって犬を追い払ったのでその隙に私たちは町に降りました。大都市よりも何もかもがゆるいのでしょうが、自分の家というものをまだちゃんと認識していない犬を放し飼いにしないでほしいものです。
距離は短いですが傾斜はきつかったこの散歩、ラブラドールの方は疲れてしまって目の焦点が合わなくなっていました。もう若くないですから。
市場の中の食堂なら犬を繋いでおいてもいいということで、そこで昼食。もちろん卵も買いました。
広場横の駐車場に止まっているのはほとんどボゴタナンバー。でもわざわざここに来る人はまだ少ないようです。あんまりメジャーになってもちょっと寂しい。
民芸品の店は見ましたが、中を見ていないのでいずれちゃんと見てみたいです。また、この周辺は馬産も盛んで、乗馬学校やちょっと馬に乗れる施設、馬を売っている牧場などもあります。
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